
第一回CHALLENGE COFFEE BARISTA開催に寄せて

CHALLENGE COFFEE BARISTA2020 実行委員会 委員長
José 川島良彰
日本の消費者とコーヒー産業に関わる人々に、生産国の現状を発信し持続可能なコーヒー栽培とそれを受け入れる市場を作る必要性を啓発する為に、2007年に私は日本サステイナブルコーヒー協会を立ち上げました。
2012年の前半、知人から誘われて愛知県の安城特別支援学校を訪問した際、卒業生のお母さんから、「息子を納税者にしたい。だからコーヒー抽出を教えてやって下さい。」と頼まれました。その一言がぐさりと胸に突き刺さり、卒業生を中心としたコーヒーショップ開店を目指して指導が始まりました。
また南米コロンビアの障がい者約130人が、就学と職業訓練に取り組んでいる民間組織フェダール財団を訪問したのもこの年でした。明るくて人懐っこいメンバー達が、私を迎えてくれ、案内された敷地内にコーヒー畑があったので、直ぐに技術指導と日本での販売を買って出たのです。そして毎年2回、コロンビアを訪れ彼らと働くのが楽しみになりました。
この2つの経験で、私が愛するコーヒーが、社会に貢献できるのだと実感しました。
その後、日本各地で障がい者カフェのお手伝いをしている内に、『こんなにおいしくコーヒーを淹れられる彼らに、スポットライトを当ててあげたい』、『それが障がい者雇用に繋がるのではないか』と考えるようになり、思いついたのがこの『CHALLENGE COFFEE BARISTA』イベントです。
数年前から温めていたこの構想を実現しようと動き出しましたが、幸い各方面で経験豊富な方々が賛同しボランティアで実行委員になってくださり、また多くの企業がスポンサーに付いて下さいました。更にこの活動は、海外のコーヒー生産国の方々からも高く評価され、大きなサポートをいただいています。
私達の目的は、障がいを持った人達が、コーヒーで生きがいのある仕事に付けるようになることです。企業のオフィス コーヒーを、全自動コーヒーマシンの変わりに障がい者が淹れる。街のコーヒーショップで、自信を持って生き生きと彼らが働く。こんな光景が当たり前になる社会を目指します。
そしてこのイベントを、毎年日本から発信し、世界に広めて行きたいと思っています。
夢は、いつか世界大会!
株式会社ミカフェート 代表取締役社長 José. 川島 良彰
略歴
1956 年静岡県生まれ。1975 年中米エル サルバドル国立コーヒー研究所に留学し、コーヒー栽培・精選を学ぶ。その後大手コーヒー会社に就職。ジャマイカ、ハワイ、インドネシアで農園開発を手掛け、マダガスカルで絶滅危惧種の発見と保全、レユニオン島では絶滅したといわれた品種を探し出し、同島のコーヒー産業復活を果たす。2007年退職し日本サステイナブルコーヒー協会設立し、2008 年 株式会社ミカフェート設立 代表取締役就任 現在に至る
役職
日本サステイナブルコーヒー協会 理事長
国際協力機構(JICA) コーヒー分野にかかる課題別支援委員会 委員長
タイ王室メーファールアン財団 コーヒーアドバイザー
東京大学研究会コーヒーサロン 共同座長
JAL 日本航空コーヒーディレクター
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